『個性濃縮』ブログ

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ケータイ小説を読んだことない人間がケータイ小説を書いた話。

 
 
 
 
どうも、テラダダナオキです。
右投げ右打ちです。
野球経験は小学生の頃、近所の友人達と野球チームを組んだこと以外ありません。
僕のポジションはセンター兼ピッチャーで、得意球はフォークでした。
ちなみに試合でピッチャーを務めた経験はありません。「最終兵器」と呼ばれながら、一度も使用されませんでした。
 
 
 
 
 
 
さて、突然ですが、最近、ケータイ小説って流行ってますか?
 
 
 
 
 
 
 
全盛期は「恋空」やら「恋空」やら「恋空」で一世風靡をしたケータイ小説ですが、最近はどうもパッとしません。
 
 
 
これはいかがなもんか?
 
 
 
なんかしらの出会いからなんやかんやの困難を乗り越えて、結ばれるもあえなく恋人の死に直面し、気持ちを整理し、「わたし、負けへん!彼の分まで生きるわ!」という一連の流れをテンプレート化したお涙頂戴ケータイ小説が廃れてしまうのは日本人として我慢なりません。
 
 
日本に残せ、ケータイ小説
 
 
こうなれば、僕が一肌脱ぐしかありません。
 
 
書きましょう、ケータイ小説
読んだことないけど!!
 
 
では、蝉の羽化の様子と共にお楽しみください。
 
 
『calling  me』
 
作者:テラダダナオキ
 
 
 
 
 
 
 
いつだって気に食わないことばかりだった。
家族も学校の連中も、上辺だけ取り繕った私ばかり見て、本当の私なんて見ていない。
昨日だって同級生に脱法ハーブを薦められて興味を持ったのに、クラスの連中には「遥は委員長なんだから脱法ハーブはダメでしょ?」なんて言われた。
 
うるさい、うるさい、うるさい!!
 
私は脱法ハーブをキメてブリブリにラリって暴れ散らしたいのよ!
死ね!糞ども!
ファック!ファック!
 
 
 
 
そんなクソみたいなセカイでも雄二だけは本当の私を見てくれた。
 
まじLOVE。
 
まじLOVEだヨ、雄二。
 
雄二とはクラブで出会った。
暴れ馬のごとく踊り狂る私の特上のフェロモンに男達は寄ってきた。
 
私は毎晩踊り狂った。
 
 
 
でも、それが私の自分らしさだったんだ。
 
アイデンティティここにあり。
 
 
 
 
 
 
そんなある日、私を3人のボディービルダーが取り囲む!!
 
 
全員、目測で186センチ85キロのマウンテンゴリラ達だ。
浅黒い日焼けが眩しい。
 
 
 
 
「よう、姉ちゃん、激マブだねぇ!そこの路地裏で社会情勢について語らいあわない!?」
 
 
「昨今の金融状況について俺らが特別レッスンしてやんよ。勿論、手取り足取りなぁ!」
 
 
「ヨー!ヒア!アーン!(RAP)」
 
 
 
 
その恐怖に私の身体はブルブルブルブル!震える。けど、私のなけなしのPRIDEが私の舌を動かす。
 
 
「はぁ?あんたらみたいなのがこの私に気安く声かけてんなよ!私に近づきたければ筋肉量をあと3倍にしてからにして!」
 
 
 
私の暴言に体脂肪率5%達は怒り狂った!!!
 
 
 
 
「舐めてんじゃねぇぞ、この女ァァァァ!!」
 
 
 
「ああ、私、死ぬのね…」
 
 
 
私が全てを諦めた時、雄二は現れた。
雄二は通信空手で習った正拳突きでボディービルダーの鼻を見事にドカッバキッって感じでへし折った。
 
溢れ出る鮮血。
浴びるは返り血。
血だまりの中に佇む私。
 
 
 
「ヘイ!俺の女に手出すなよ、メーン!次は鼻だけじゃ済まねぇぜ!レペゼンメーン!!」
 
 
 
惚れた。
 
じゅぅぅぅぅぅぅんんん!!と私の下半身は洪水警報!!!!
 
 
洪水警報、洪水警報、ゔーーー!!!
 
 
あまりの興奮に私は腰砕けになるけど、雄二はそんな私をお姫様抱っこ!!
 
 
 
 
やめて!
洪水が止まらない!
 
 
 
 
 
 
 
「大丈夫かい?バンビちゃん。とんだ悪漢もいたもんだね。さしずめ僕はお姫様を助けた王子様って感じかな⭐️」
 
 
 
雄二の発言ひとつひとつに私の身体は発汗、発汗、動悸も激しくバクバクバク。カプサイシンか何かかしら?
 
 
 
 
「もう一人で歩けるかい?僕としてはもう少し抱きかかえてたいんだけどね?」
 
 
 
 
雄二の紳士的な態度に私の心臓はバタフライでも泳ぐようにドタバタ跳ねる。
どうか、私の興奮が、彼に伝わりませんように…。
 
 
 
「おお、バンビちゃん。酷く興奮してるみたいだ。というのも君の瞳孔が開いてるからさ。人は性的に興奮すると瞳孔が開くのさ。僕はあの有名大学の首席医学生だからそんなのも訳なく理解してるんだ」
 
 
 
 
嗚呼、神は彼にいくつ才能を与えるっていうの?
 
 
 
 
「まあ、今夜は遅いからもうお帰り。オテンバなシンデレラ」
 
 
 
そう言って雄二は私の唇に優しいkissをした。
それが私たちの出会い。
そんな感じのボーイミーツガール。
 
 
 
 
 
 
それからの日々は私の人生の中で最も幸せな期間だった。色で喩えるとピンクだ。
 
 
雄二は、車を走らせ、海まで連れて行ってくれた。
二人で水の掛け合いなんかしちゃったり…^ - ^
11月だったけど。
 
 
買い物に出掛けてた時も私に似合う服を片っ端から黒いカードで購入していった。
彼はとある財閥の跡取り息子だった。でも、何故雄二は跡取り息子なのに医者になる勉強をしているのか。
 
 
それは彼が天才であるからにほかならない。
 
 
 
雄二つよぃ。
 
 
 
 
 
 
 
 
そんなある時、私達に新しい家族ができた。
 
 
 
「雄二、できたみたい」
 
 
「ん?なにができたんだい?バンビちゃん」
 
 
「アウアースイートベイビー」
 
 
「え」
 
 
「our sweet baby」
 
 
「本当かい!?」
 
 
雄二は飛び上がって喜んだ。
そのおかげで私の部屋の天井には穴が空いた。
雄二はジャンプ力も凄いのだ。
 
 
 
勿論、私たちの両親は私が子供を産むことに反対だった。しかし、初孫だったので許してくれた。
ありがとう、お父さんお母さんお義父さんお義母さん。
 
 
 
 
 
 
 
「そうとくれば、早速、名前を決めよう、バンビちゃん」
 
 
「もう。気が早いわよ、雄二」
 
 
 
 
「雄二マークIIなんてどうだろう?」
 
 
 
「採用」
 
 
 
 
 
 
 
『calling you』
 
コール、コール。
聴こえてますか、私たちの赤ちゃん。
コール、コール。
あなたの名前は雄二マークII
聴こえてますか。
私たちの愛の結晶。
あなたのおかげで私たちは幸せです。
はやく、会えるといいですね。
コール、コール。
 
 
 
 
 
 
 
 
それからの日々はカレンダーをめくるのが楽しみになっていた。雄二マークIIが産まれる予定日には大きくハートマークを書いている。
 
 
 
「バンビちゃん。悪いが、今日一日僕は出掛けるよ」
 
「あら?なにか予定があるの?」
 
「うん、少しね」
 
雄二は微笑みながら言った。
出掛ける雄二の背中に手を振って私も学校へ出掛ける。そういえば、私、学生だった。
 
 
 
 
その日の午後の授業が始まってすぐ、私の元に慌てた先生がやってきた。私は雄二マークIIが産まれてから着る服をデザインしていた。
 
 
 
「先生、どうしたんですか?」
 
 
「遥くん、君の恋人が事故に遭ったって……」
 
 
「な、なんですってーー」
 
 
 
 
私は愛車の元まで走り、エンジンをかける。いい音だ。すぐに気持ちよくしてあげるからね、バディー。
 
しっかりバディーに乗り込んだ私は一気にフルスロットル!!!
 
スピードが景色を呑み込む。
 
 
 
待っていて、雄二!
私とバディーがすぐに向かうわ!
 
 
 
 
 
 
 
病院には既に雄二の両親がいた。
 
 
私は病室に入る。
傷だらけの雄二が白いベッドに横たわっている。
 
 
「お気の毒ですが、間も無く息を引き取るでしょう…」
 
隣にいた医者が言った。
 
 
そんな…
信じられない。
朝まであんな元気にフレンチトーストを食べていたのに。
 
 
 
横たわる雄二が何かを呟く。
 
 
「聞こえないよ、雄二」
 
 
私は泣きながら雄二の手を握る。
 
 
何かが手に触れる。
 
 
雄二の手の中に何かを見つける。
 
 
それは指輪だった。
 
 
「今日は…それを買いに行ってたんだ、バンビちゃん…。例のブラックカードでね。君に、似合うと思って…。婚約指輪だよ」
 
 
 
「順番がおかしいかもしれないけど…バンビちゃん、結婚しよう」
 
 
 
 
 
「お腹の中の雄二マークIIと一緒に幸せな家族になろう…」
 
 
微笑む雄二の手を私は力をこめて握り締める。
 
 
 
「勿論だよ、雄二!!私達、幸せな家族になるんだよ!だから、だから…」
 
 
 
 
「ねぇ、バンビちゃん…。僕は君の名前で呼んだことがなかったね…」
 
 
 
掠れる声で雄二は言った。
 
 
 
「なんだか照れちゃって、ちゃんと呼べないんだ。でも、これだけは最期に伝えたかった…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「愛してるよ、遥」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
雄二の手から力が消えた。
 
 
 
 
 
 
そして雄二は爆発した。
 
 
もう限界だったんだ。
 
 
 
 
「バカ…。もう一度、呼んでよ。もう一度、私の名前を呼んでよ!!呼んでよ……」
 
 
 
 
私は雄二がブラックカードで買ってくれた指輪を握り締めて泣いた。
 
 
もう私の名前をあんな風に呼んでくれる人はいない。
 
 
彼は爆発してしまった…。
 
遺されたのは、私とお腹の中の雄二マークIIだけ…。
 
 
 
 
 
 
 
このセカイは。
あの人がいないセカイは。
こんなにも切ない色をしている。
 
 
 
 
 
私は生きる意思を失っていた。
雄二が爆発してから一週間後、私は学校の屋上に来ていた。
 
 
 
「雄二のいないセカイなんて…私には我慢できないよ…。だから…。だからね、雄二。私もすぐそっちにいくよ」
 
 
 
私は屋上から足を踏み出した。
脚が竦むけど、怖くない。
その時、何かが指で光る。
 
 
指輪………。
 
 
雄二が、爆発する前にブラックカードで買ってくれた指輪…。
 
 
 
 
 
「遥…。僕の願いは君と雄二マークIIがこのセカイを生き続けることだよ」
 
 
 
 
雄二の声が聴こえた気がした。
雄二はもう一度、私の名前を呼んでくれた。
私は屋上に座り込んだ。
 
 
 
 
 
屋上から景色をぐるりと見渡した。冷たい風と共に春の匂いがした。
 
 
 
「もうすぐ、春だね。雄二マークIIの誕生日も近いね」
 
 
 
私はお腹をさする。
コツン。と雄二マークIIがお腹の中で動いた。
 
 
私の目から涙がこぼれ出す。
 
 
「ごめんね。お母さん、バカだった。雄二マークIIのこと考えず、自分が淋しいからって…あなたまで失っちゃうところだった。こんなんじゃ、天国のお父さんにも嫌われちゃうよね」
 
 
 
 
雄二マークIIがもう一度コツン。とお腹を蹴る。
 
 
 
私は指輪を握り締めてお腹を何度も撫でる。
 
 
「ごめんね、雄二。私、生きるよ。雄二マークIIと一緒にこのセカイを、精一杯、あなたの分まで生きるよ」
 
 
 
大きく深呼吸をする。
 
 
 
コーリング、コーリング。
 
天国のあなた。
 
聴こえてますか?
 
コーリング、コーリング。
 
 
 
 
 
 
 
「私も愛してるよ、雄二」
 
 
 
 
 
 
 
 
END!!!!
 
 
 
 
 
 
はい、終わりです。
 
 
 
 
 
 
なんだこれ。
 
 
 
 
書いている本人がこれですから読んでくれた方はもっとなんだこれ状態でしょう。
 
 
もはや、ケータイ小説の形を保ってるのか疑問ですが、たまにはこんなのもいいですね。
 
 
 
 
 
作品のテーマはズバリ、
 
 
「生きる。」
 
 
です。
 
 
 
 
 
まさかこんな意味わからん文章にそんな大層なテーマ詰まってるとは思わないでしょう。
 
僕だって思いません。
 
 
 
しかし、書いたからわかりますが、小説って書くの難しいですね。早く終わらせたくて、雄二を登場シーンで爆発させようかとも思いました。物語が完全に破綻するのでやめましたが。
 
 
 
 
 
結果的に主人公も生きることを選択しましたし、セミも無事羽化しましたし、万事オッケーです。
 
僕も幸せです。
 
 
 
 
やはり、ケータイ小説は残すべき文化ですね。みなさんも退屈な時、是非書いて見てください。
 
 
基本的に恋人を病気か事故で殺して、生きる意思を持たせたら立派なケータイ小説になります。
 
うまくいけば映画化しますよ。
 
 
最高ですね。
 
 
 
 
それでは最後に、作中で雄二が指輪や服を購入していたブラックカードを紹介しときます。
↓↓↓↓
 
 
 
 
 
 
 
一番高額なブラックカードで年会費36万です。
 
 
気が狂ってますね。
 
 
 
 
 
ブラックカードでスマートな買い物をお楽しみください。
 
 
では。